33回大会を終えて 審査委員からのメッセージ

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西垣

映画監督

西垣 吉春
(審査委員長)

多彩な作品よ、集え!

 どんな作品が出品されているのか、毎年ワクワクしながら審査に臨みます。
 コロナ禍を、オリンピックを、異常気象を、高齢化社会をどう捉えているのか・・・
 新鮮なアマチュアの方々の目に、この世の中はどう映っているのだろうか・・・。
 超短編のコンクールですが、折々の時代の襞が刻まれ、歴史の証人にもなりうるのがこの映像大賞です。 ですから応募作品がフィクションであれ、ノンフィクションであれ、ドキュメント風でも劇仕立てでもアニメでも多彩な作品が集まることを楽しみにしています。
 ただ、作者がこれだけは観て欲しい映像、これだけは伝えたい言葉をしっかりと織り交ぜてくれれば、一級の作品になると信じます。
 まず映像でみせる。その映像の補足でナレーションを足し、テロップ補う。そして静かに音楽を載せてみては如何でしょう。その点、大賞作品「Living Alone」は、時代を反映した良い作品だと思います。
 皆さんの眼は新鮮で確かです。自信を持って応募ください。
                        (京・嵐山にて)

能美

NHK神戸放送局
放送部長

能美 龍太郎

丹波篠山映像大賞の審査を終えて

  

 映像表現の多様化が進んでいます。今回の丹波篠山映像大賞でも、新しいデジタル技術を駆使したもの、伝統的なホームビデオカメラの手法で撮られたもの、ドラマ仕立てのものなど、さまざまなスタイルの作品が寄せられ、それぞれの特色を味わいながら審査をさせていただきました。そうした中で、スマートフォンで見る動画のスタイルをとった若い人の作品が力をつけてきたことを実感しました。
 特に印象に残ったのは、大賞を受賞した前田周さんの作品「Living Alone」です。コロナ禍でリモート授業が続く大学生の孤独を描いたこの作品は、社会的な問題を個人的な感性で受け止め、最新の編集技術によって揺れ動く心のひだを巧みに表現しています。「デジタルの私小説」とも言うべき作品だと思いました。スマートフォンの普及によって誰もが思い立てば動画を発信できる時代の感覚が、色濃くにじみ出ていると感じました。
 自己を表現したいという思いは、いつの時代にあっても若い人が共有している欲求ですが、今、若い人たちはスマホという気軽なメディアを手にしました。今後ますます自己表現の手法を磨き上げていくことになるでしょう。
 多くは個人、あるいは仲間内の閉じられた世界に向けて発信されるものですが、前田さんの映像作品のように不特定多数の人に「共感」してもらえる作品も増えてくるはずです。
 社会の分断が進んでいると言われる今、人々の共感を呼ぶ映像作品がどんどん出てきてほしいと願っています。

大同

サンテレビジョン
地域情報局長

久保 仁 


第33回丹波篠山映像大賞の審査を終えた感想

 

 第33回丹波篠山映像大賞の作品審査では大変お世話になりました。初めて審査委員という機会を頂き、誠にありがとうございました。映像を生業としている私にとっても新鮮で大変勉強になりました。作品をご応募された皆様、大会運営にご尽力された関係者の皆様に感謝します。
 さて、初めての審査員でしたが、どの作品もそれぞれにテーマである「生きる」ということに真摯に向き合い、個性、特徴があって素晴らしかったと思います。
 その中で私が特に印象深かった作品は、コロナ渦で苦しんでいる学生が、実体験をもとに制作されたという「Living Alone」です。テーマ性の解釈、映像の効果的な使い方、さらにナレーションにおいて、等身大の言葉で伝えることの大切さをうまく表現されていたと思います。
 今も続いているコロナ感染拡大は、社会の仕組みを根底から変えるほどの影響力です。ITの進化でオンライン授業など大変便利な世の中になりました。一方で若い方々がリアルで友達、教室、社会と直に触れ合えることができないことがいかに生き苦しく辛いことか、制作者なりの若い感性で描かれていました。結果、大賞の受賞ということにつながったのではないかと思います。
 今回、テーマの「生きる」は、作品づくりという意味ではいろんな捉え方ができ、幅広く制作者の意図を伝えやすかったのではないかと思いました。 しかし、単に映像が美しいとかだけでは心に響かないと思います。そこには制作者が一番何を伝えたいのか、訴えたいのかを加えてこそ感動したり、共感したりできる作品に仕上がるのではないでしょうか。
 アマチュアの皆さんだからこそできるみずみずしい感性で次回も作品に励んでほしいと思います。今回、いろんな作品と出会い、気づきも沢山ありました。本当にありがとうございました

奥野

実行委員長
奥野  勇

時代を映す映像大賞

 

 コロナ禍・老後・貧困と、今の時代の課題を反映した作品が揃った中で「今後どのように生きようとしているか」 という視点で見ていました。
 その中でグランプリに輝いた「Living Alone」は、コロナ禍の2年間に、大学や社会と 閉ざされてしまった苦悩を実体験から描き、とてもリアリティがあるり共感を呼ぶ作品でした。 苦悩だけで終わらずに「生きる」という光を見つけられたことが、何よりこの作品の命です。
 知事賞の「山谷再生物語」も、山谷の難しい取り組みにスポットを当てたのが良かったです。 欲を言うと、学生である作者なりの未来への思いがメッセージとしてあれば、更に良かったのではないかと思います。
 市長賞の「来た道 行く道」は、実体験から来る母との向き合った姿に共感がありました。 ゆったりとした「間」が何ともいい味・余韻を出していましたね。
 「ゆめのあとさき」は難しい再現ドラマにナイスチャレンジです。内容が深いがゆえにやや消化不良に なってしまったのは否めません。
 「しょうわの館」も身近なところに課題を見つけ、実態と課題が しっかり取材され現状が理解出来ましたが、施設の皆さんの将来へのビジョン・声が聞ければメッセージ性の強い作品になったと思います。

 


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