22回大会を終えて

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西垣吉春

映画監督
西垣 吉春

花一輪

 作品に使用される音楽はどうあればいいのか・・・基本的には映像を助けることに重点をおき、情感を盛り上げる役割を担う。従って音量は低くして、映像に勝たないことが大切だ。勿論「映画音楽」というジャンルがある訳だから、聞き惚れる場面があってもよいが・・・。
 映画が音楽に負けないこと。音楽が入らなくても耐えられる絵をモンタージュしてほしい。もし仮に音楽を強調したいのであれば、それに合う映像をつないでほしいものだ。
 映像も美しい、音楽もすばらしいと観客は迷ってしまう。絵を見るのか音楽を聴いたらいいのか・・・。美男美女ばかりが揃うと誰が美人か判らなくなる。そこそこの容姿の人だかりに美人ひとりだと絶世の美人に見える・・・錯覚だ!錯覚で人生迷いもするのだが・・・ 花一輪、どこで咲かせるか、清流で咲かせるか、泥沼で見つけるか・・・そこそこの映像に素敵な音楽を。素敵な映像にそこそこの音楽を選曲してみてはどうだろう。
 今は、BGMとして、音楽を這わして使ってみては如何だろうか。
 22回大会は、レベル高い作品が並んだ。次回が楽しみである。奮闘を祈ります。

平地正宣

NHK神戸放送局
放送部長
平地 正宣

ビデオ大賞を振り返って

 今回の大会は、映像の奥深さを改めて認識させられました。私は、予選と決勝で、評価が大きく変わった作品が2つあります。 ひとつは県知事賞を受賞した「越後上布の伝統を継ぐ」です。12月に行われた予選の審査ではそれほど高い点を付けていません。小さなテレビ画面だったこともあるのでしょう、構成が粗く、昨年同様なテーマで別の方が作品を出されていたこともあって"二番煎じ"と感じました。ところが実際に会場の大スクリーンに映し出された作品の圧倒的な存在感は、構成の粗さなど吹き飛ばしてしまいました。しっとりと映された冬景色のカットが重ねられ、覆いかぶさるように迫ってきました。
 また長くテレビ番組を作っていると、テレビ制作の常識から外れた作品には厳しい評価をするものですが、市議会議長賞を受賞した「ああ余部のわれらいま」はそんな作品です。この作品では鉄橋に近い小学校の校歌を、歌番組でもないのに1番から3番までフルコーラスで使い(テレビの常識では長すぎます)、さらに2番だけに歌詞の字幕を付けました。(付けるなら全部に付けるべき)。いかがなものかと思っていました。ところが大きなスクリーンでは、この作品もまた圧倒的な存在感で迫ってきました。確かなアングルから捉えた鉄橋と列車の映像が重ねられ、取材者の熱い思いがテレビの常識を押し流してしまったようです。
 2つの作品に共通することは、細かなテクニックは別にして撮影の基礎的な力がしっかりしていたということです。構成の粗さや字幕の不十分さは、大画面の迫力の前にふっとんでしまいました。まさに映像の地力の違いを見せつけた感があります。その地力が予選を突破させ、決勝で大きく花を咲かせました。今年の大会は、作品の評価が、見る環境で大きく変わることを教えてくれました。 来年以降も、驚きと、映像の地力を発見できる作品に出会えることを、楽しみにしています。

瀬川均

(株)サンテレビジョン
事業部長
瀬川  均

映像からにじみ出る思い

 大賞に輝いた『23歳の挑戦』は心を打つものがあり、強く印象に残りました。下半身が不自由な23歳の女性が、みんなに助けられながら懸命に登山に挑戦する姿を描いた作品で、被写体から自然とにじみ出る迫力に助けられている面もあります。完成度では他に勝っている作品もありましたが、「何を伝えたいか」という思いの強さがあり、見る人の心をゆさぶる作品でした。作者の海老名さんは、ボランティアの一人として登山に協力する事になり、取材対象の女性と何回も打合せを行い、「その前向きな姿勢に感銘を受け、多くの人に伝えたいと思った」と話しておられました。まさにその気持ちがこもっていて、みんなの「絆」を感じました。あえて言えば、言葉で伝える部分と映像で伝える部分のメリハリを考え、どうすれば見る人(受け手)により素直に伝わるか…余韻や微妙な間も含めて演出できればさらに良くなったのではないのでしょうか。これは、アマチュアの作品に一般的に言える事で、自己満足で終わるのではなく常に見る人の事も考えているプロとの違いの一つだと思います。一方で、自然体で取材対象と向き合い、余計な事を考えずチャレンジできるのはアマチュアの特権とも言えます。大切なのは、そのバランスだと思います。
 「サンテレビ賞」を受賞した「このまちで暮らす~街並みを見守りつづけて」は、観光客を相手にお店を営む初老の男性を通し篠山の人情や美しさを映し出した力作でした。気さくな主人公の篠山への熱い思いと共に、家族や観光客との心のふれあいを感じる事ができました。 今後も、こうした身近な人や事柄をテーマに、作者の視線で心にひびく何かを伝えるオリジナリティー豊かな作品がたくさん出てくる事を期待したいと思います。

酒井勝彦

映像作家
酒井 勝彦

コンテストを通して

 アマチュアですから、独りで作らねばなりません。その中で、伝えたいことは山ほどあるでしょうし、作者の思い入れがあって当然ですが、より相手に受け入れてもらい易い表現と順序を推敲することが大切です。
 「8分まで」という時間の制約の中ですが、「5W1H」と「起・承・転・結」をしっかり組み立てることです。コンテストですから「ワン・パターン」を避けることも、柳の下を狙らわないことも大切です。
 今回の作品は、時間の余裕があるにもかかわらず「尻切れトンボ」のような感じの作品が気になりました。大会テーマは「生きる」です。「それでどうした? どうする?」というあたりまで描いて欲しいのです。エピローグを大切に扱って欲しいと思いました。
 立ち止まらないで、新たな思考と観察力と共感で、作品を作り続けて頂きたいと念じています。

奥野勇

実行委員長
奥野  勇

大会を振り返って

 ノミネートされた作品のレベルはそこそこ高かったと思います。 ベスト3に残った作品には、それぞれ特に素晴らしいところがあります。
 「23歳の挑戦」はテーマ(素材)の見つけ方において、強いものがありました。「越後上布の伝統を継ぐ」には、編集のリズムに何とも言えない味があり、また「指一本で描く、生きている証」には、ナレーションの間(ま)が素晴らしかっ たです。大賞の「23歳の挑戦」は、編集に課題を残したものの、テーマの強さで大賞に輝き ましたが、紙一重の差だったと思います。

作家の方々に

(グランプリ部門)
 他人の作品をなるべくたくさん見て分析し、「自分の感想」をしっかり持つこと。 そして自分が製作するときに、「誰」に「何」を伝えたいのか?を明確にすることです。
(デビュー部門)
 まずは身近なものを撮影し、タイトルを編集してみることです。何かのマネでも良いので、誰かに映像で情報を伝えてみてください。「ヘタでいい!ヘタがいい!」
 篠山市の皆さんは、「篠山市視聴覚ライブラリー」にお気軽に相談してみてください!

思い

 映像や音楽を上手に使って、暮らしをより豊かなものにしましょう!楽しく、深く! 面白い!ですよ~。

アマチュアの作品づくりとは

 往々にしてアマチュアの経験者の方の作品作りは「ひとつの型」にはまってしまい (捉われてしまい)、同じパターンの 構成から抜け出せないことが多いです。アマチュアのいいところは、ボツになっても大丈 夫!ダメ元でいろいろな構成を試し てチャレンジすることが大切だと思います。

 


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