28回大会を終えて

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西垣

映画監督

西垣 吉春
(審査委員長)

最初と最後のカット

 テレビを席巻しているのが「バラエティー番組」「旅番組」「料理番組」そして「ワイドショー」。映像を大切にしなければならない筈が、兎角安易な映像構成になって、少し残念な気がする。


それに比べて、この丹波篠山ビデオ大賞の入選作品は、アマチュアの目線ながら確実にテーマを捉えしっかりした映像で表現されている。予備審査で観た映像を、大きな画面の決勝大会で観ると印象が変わるのも面白い。 大会毎に、スーパーは少なく、ナレーションも少なく、音楽も低い目に、映像表現である以上映像を汚さないでとお願いしている。出来る限り「ビデオ大賞の大会」なのだから画面で表現して欲しいと願っている。


 今回の出品で「二・六・二」は映像的には大変優れた作品だったがスーパーが邪魔したのが惜しまれる。 「夕日の国から来た少女」は、今日何処でもある留学生のお話だが、作者たち(生徒)の人柄(目線)がしのばれて暖かいものが伝わる秀作であった。画に若いパワーが込められたところがよかった。「山あいの村がともす灯り」は同じ高校生の作品で当初は最優秀作品かと思われたが、何かが足りなかったのだろう・・・それは若者の目線(力)だったのかもしれない。


 これからの作品作りには最初の映像と最後の映像を大切にし、見せたい映像はたっぷり目に扱って欲しい。 超短編のこのコンクールですが、一つのテーマを、一つの目線で追い求めることで、訴える力が増すと信じます。 作者の技術力、構成力に優るのは、「目(心)」と信じてやまない。
                       (京・あらし山にて)

松本
NHK神戸放送局
放送部長

松本 恭司

「若さ」が目立った大会

  

 第28回大会は若い感性が目立った大会でした。

 大賞を受賞した岡山学芸館高校の「夕陽の国から来た少女」、次点の静岡大成高等学校「山あいの村がともす灯り」、どちらが大賞に輝いてもおかしくない素晴らしい作品だったと思います。最終審査でも、どちらを最優秀とするか審査委員の意見が分かれていました。が、決め手となったのは「夕陽の国から来た少女」の主人公リンさんの"若さ"だったような気がします。故国を遠く離れた岡山の地で、時にさみしさを噛みしめながら懸命に何かを吸収しようと健気に「生きる」姿が、見る人に感動を与えたのではないでしょうか。そこに純粋な生きる力を感じました。

 毎回思うのですが「生きる」という大会のテーマは、簡単そうでなかなか難しいと思います。極端にいえば、生命ある被写体を追っていれば、すべてが「生きる」というテーマにあてはまるとも言えなくはありません。ですが、やはり分かりやすい「生きる」が描かれている作品のほうが見る側にとっては納得しやすく、その分ストレートに訴えかけてくるメッセージを含んでいるのではないでしょうか。
 岡山学芸館高校は初めて、静岡大成高校は2回目の作品応募でしたが、ぜひ次回も参加してすばらしい作品を見せて欲しいと思います。楽しみにしています。

大同

サンテレビジョン
報道部長

石濵 真司 


編集とは画を捨てること

 

 丹波篠山ビデオ大賞の審査に今回初めて参加し、貴重な経験をさせて頂きました。すべての作品に共通していたのが取材対象との距離感の近さです。地元の人たち、同級生等普段から接している身近な人たちだからこそ撮影できた映像がたくさんありました。

  大賞作品の「夕日の国から来た少女」。カンボジアから岡山の高校に留学してきた少女の日本での生活を追った作品です。彼女が日本文化に接する様子やインタビューなどを紹介。制作した岡山学芸高校放送映像部の担当者は「取材を通して、自分たちの恵まれた環境に気付いた」と話していて、作品を作りながら制作者自身も成長していく様子が映像からも感じられました。

 グランプリ部門の規定時間は7分以内。多くの作品が6分台後半の中で大賞作品は5分1秒。「編集とは画(え)を捨てること」。我々が教わってきた番組制作の鉄則です。誰でも苦労して取材してきた映像をすべて入れたがるもの。しかしあれもこれも入れるとテーマがぼけてしまいがち。取材映像の取捨選択こそ肝心です。そういう意味でも、大賞作品はよくまとまっていました。兵庫県知事賞の「山あいの村がともす灯り」も高校生の作品でした。こちらは、峠の村にあるイチョウの木に毎年村の人たちが飾り付けるイルミネーションを題材にした力作。放送部が長期間にわたり丁寧に取材を重ねた作品で見応えがありました。どちらの作品も題材が良かったと思いますが、それをうまく構成・編集した高校生たちの努力のたまものです。今後も高校生の今でしかできない作品をどんどん制作してほしいと思います。

  今やスマートフォンで誰でも手軽に高画質の動画が撮影できる時代。だからこそ、改めてビデオ撮影・編集の楽しさを多くの人たちに知ってもらい、このコンテストが全国のアマチュアビデオ制作者たちの"目標"であり続けていく事を願います。

奥野

実行委員長
奥野  勇

「生きる」というテーマの余韻

 

 若者の作品が充実していた、と実感した大会でした。

 大賞の岡山学芸館高校、紙一重で県知事賞の静岡大成高校、個人的には大好きな作品の和歌山NAGA-B.C.C、そして心の動きをタイトルで上手に表現した地元の篠山東雲高校・・・と多彩な若者視点の作品が揃いました。

 「山あいの村がともす灯」や「二・六・二」は、特にカメラワークが素晴らしく、どちらにも個人的に「撮影賞」を差し上げたいと思います。

  7作品それぞれ甲乙付け難かったのですが、どれだけ「生きる」というテーマの余韻を残せたか?で「夕日の国から来た少女」に大賞が決まりました。

 老若男女がそれぞれの持ち味を発揮した、味わい深い作品が多く、記憶に残る大会でした。

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